少し前の話ですが、リフレット、リナットに出していた58年製LPGTが戻ってきました。
このGTはオリジナルのフレットで貴重だったのですが、流石にすり減りすぎていて演奏に支障が出ていたので、遂にリフレットを決意した次第です。
フレットはギブソンオリジナルが手に入らなかったので、ダンロップの♯6105にしました。
やっぱり音は少し変わってしまったけれど、好みの変化なので問題無し。
元々ダンロップのフレットが好きで、僕のギターは大抵♯6100か♯6105に打ち変えてあるので、違和感が少ないのは当たり前かも知れません。
バインディング処理など細部の仕上がりは少し気に入らない部分があるのだけれど、プレイヤビリティーはリフレット前と比べて雲泥の差となりました。
ところで、以前僕はリフレットやリナット自分でをやっていたのですが、今は完全にプロに任せています。
自分でリフレットを始めた理由は幾つかあるのですが、やはり無視出来ないのは経済性です。
当時20本位を一気にリフレットしようと思っていたので、1本当たり3万5千~4万5千円×20本分の値段がかかる事になります。ああ、これは流石に一寸無理だなと。
他の理由はリペアショップの対応に疑問を持った事ですね。
あるショップでローズ指板のストラトのリフレットを依頼したところ、納期3ヶ月と言われ、大人しく待っていたものの6ヶ月経っても連絡がなく、シビレを切らしてコチラから連絡したところ、コレから取りかかるとの返事で、2週間後に仕上げるので待っていてくれとのこと。
所謂蕎麦屋の出前状態で、僕が連絡しなければ恐らくもう半年くらいは放置されたのではないかと思っています。
また、別件でヴィンテージのストラトのリフレットを出した時に、指板矯正をしない事と、エッジの処理の際に極力ネックを削り込まない様御願いした所、「保証はできないが、努力はする。手間がかかるので、工賃込みで10万円かかる」との返事。
このショップは当時よくお世話になっていた島村楽器を介して作業を依頼したので、リペアマンと直接やり取りをしていないから、今思うと何らかの行き違いはあったのかもしれません。
しかし、結果が保障されないのに、通常の倍以上の要求に、「これは遠回しに断っている?」と感じ、他の店を探すことに。
そんなことが重なるにつれ、リペアショップにギターを出すのが嫌に成って来た僕は、自分でリペアを始めた訳です。
リフレットを自分でやってみて、どれだけ丁寧にやっても1日あれば余裕で出来る作業である事がわかりました。
つまり納期3ヶ月=90日なら、うち89日は待ち時間で、その間ギターは単にリペアショップの倉庫で転がっているだけと言う訳です。
こう言った事が分るにつれて、ますますリペアショップに出すのが馬鹿馬鹿しく感じていた訳ですが、ある程度経験を積むと、徐々にリペア(特にネック関連の作業)と言うものはとてもデリケートで、完璧を求めると際限が無い世界だということも分かってきました。
そして自身の技術の拙さも実感する様に成り、プロの仕事というものは、それなりの対価を支払うに値すると納得するに至ったのでした。
それからは、リペアは基本プロに任せています。
本物のプロと呼べるリペアマンは決して多くはないと思いますが、この人はプロだと感じた人と話していて思うのは、仕事をオーダーする我々側にも問題が有るのでは?と言う事です。
フィーリングの問題と技術的スキルの問題を混同している人
自身の要望をきちんと伝える事が出来ないのに、要求は一人前以上の人
兎に角安く上げる様要求する人、、、、、、、
そう、自身の反省も含めてこの記事をアップさせて頂きます。
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プロの仕事 リフレット編
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